住民主導の避難訓練
「わたしたちの防災・もう人任せにしない!」はミヤギテレビが震災2年半の節目に制作したオムニバス形式の報道特番だ。番組は石巻市で自ら屋上にヘリポートを作った工場や、地域を巻き込む女子大生防災士の活躍などを、震災から2年半を経て落ち着きを取り戻した雰囲気とともに紹介する。...
死者に生かされる人々
「死者が生きている人をケアしている」。震災犠牲の家族と向き合ってきた医師の言葉は一見、異様だが震災で深い傷を負った人々の心のうちをよく表している。家族を亡くした被災者の奇妙な体験に光を当てた異色の番組の一節だ。 女川町で被災した木村信子さんは震災の日、目の前で苦しみながら沈...
希望からはみ出た命のかたち
「3月11日、日本が息を飲み言葉を失ったあの日、母なる宇宙から君が生まれた。新しい生を受けた君に、この椅子を贈ろう。」「君の椅子プロジェクト」の磯田憲一さんは、若い両親に抱かれた小さな赤ちゃんを前に手紙を朗読した。 番組は震災前から北海道東川町で行われていた、生まれた子ども...
閖上800日の葛藤
「あの大震災で日本は変わると思ったけど、全然変わらなかった」 NHKスペシャル「住民合意800日葛藤の記録」の視聴後、ざらりとした感触の言葉が、宙に浮いたように心に残っていた。 番組は宮城県名取市閖上地区の立場の異なる3人に焦点をあて、復興の陰にある住民の葛藤を描く。現地再...
白球を追いかけた球児たちの3.11
「13万6102円、異常なし!」。母校を卒業して自衛隊に入隊し、手渡しで初任給をもらった木原航平さんは封筒の中身を確かめ、大きな声で上官に伝えた。震災から2年の時を経て、バットを握っていた手は今、訓練用の銃を手にしている。...
失われた家族と対話しながら
「震災の中でしか生きられない」 石巻市立大川小学校で犠牲になった児童の遺族たちの2年間を追った「子どもたちのために」(NHK仙台4月19日放送)を見て、以前、取材中に別の遺族から聞いた言葉を思い出した。 児童74人と教職員10人が犠牲となった大川小学校の惨事は、今回の震災で...
3.11は365日のうちの1日でしかない。
「今年はメディアが3月11日をどう伝えるか。」震災から二年が近づき報道のボリュームが一時的に増える中、意外にも目を引いたのは仙台放送が毎月つくり続けてきたオムニバス形式の番組『ともに』の中のひとこまだった。 番組は仙台市内の被災した女性セラピストたちの活動や、気仙沼で震災翌...
飯舘村、「メディアとの闘い」
「メディアとの闘いを今でもやっていますから」 以前聞いた、飯舘村の菅野村長の怒りを今も覚えている。「東京の線量が下がったときは毎日放送されたが、飯館が下がっても放送されない。どうしようもない地域として放送されてきた」番組はその怒りにどう応えただろうか。『キ・ボ・ウ〜福島県飯...